育児休職というと、”赤ちゃんや子どもとの時間を最優先に過ごす期間”というイメージが強いかもしれません。実際私もそういった考えを持っていました。しかし、そんな貴重な時間を「自己成長のチャンス」と捉え、国家資格であるキャリアコンサルタントを取得した男性社員がいました。
業務に復帰するのは不安かな?
本当はもっと育休取っていたかったかな?
それとも楽しみにしてくれてたかな?
彼が復帰する日が近づくにつれて、そんなことばかり考えていました。
不在だった期間の業務の出来事を丁寧に引き継がなきゃ不安だよな、しばらくは1日1時間くらい1on1の時間を取った方がいいかな、モチベーションを戻してもらうためにメンタルケアも意識しないとな…など考えていたことを挙げるとキリがありません。
しかし、そんな気持ちは本人の顔を見て一瞬のうちに吹き飛びました。彼の顔は自信に溢れ、活力に満ちているように見えたのです。
後日、彼と話している中で、この育休中にキャリアコンサルタント資格に挑戦し取得していたことがわかりました。
彼のチャレンジを聞いた私は、同じ会社で働く人間として大きな刺激を受けました。彼の前向きな挑戦マインドに感銘を受けたのです。限られた期間でも自身のキャリアを考え、キャリアを実現するために自ら行動に移す姿勢はなかなかできるものではないと思っています。
今回はこの話から、皆さんが自身のキャリアと向き合い、考えていただく良い機会になればと思い、本人がどういった気持から資格取得に挑戦したのか、あるいは取得後どのような変化が見られたかについてご紹介します。
育休中の男性社員を突き動かした正体
今回の主役となる育休取得をした社員は、私のチームにいる男性社員です。この記事では形式的にAさんと記載します。
Aさんは第一子が生まれるにあたって2か月間の育児休職を取得していました。もともと業務に対しては前向きかつ積極的に取り組むタイプで、勤怠や業務上のパフォーマンスも良好、特段彼に対しもっとこうしてほしい、というような課題感を持ったこともありませんでした。
一方で、会社としては資格取得や研修の受講等を推進しているものの、これまでAさんは資格取得やその学習に励むことはなく、どちらかと言えばそうしたものに興味を持たない社員、という印象がありました。
そんな彼がなぜ育休中に資格取得に挑戦したのか、育休は普段の業務から離れる貴重な期間でもあるため、実は一層疑問に思ったのでした。そんな私に彼はこう言いました。
「育休中はもちろん子供とたくさん向き合っていましたが、子どもが寝ている時間もたっぷりあるんですよね。
その中でだらだら生活をしていると、この2か月で会社の業務から置いていかれるんじゃないか、復帰してすぐ活躍できる状態まで自分を持っていけるんだろうか、と結構不安で。
だからこの時間をむしろ有効に使いたい、何か現業で役に立つスキルを身に着けたいと思ったんです。」
この話を聞いて、そうか彼の原動力は焦りや不安から来ていたのかと思いました。ただ一方でそうした感情を持つのは、向上心が高く会社や事業に対する貢献意欲、あるいは成長意欲が高いことの裏返しです。
限られた時間を自らの成長のためにも使ってきた彼の姿勢は、言うまでもなく尊敬に値するものでした。
キャリアを考える当事者だからこその選択
今後のキャリアを考えて不安になる、このままでいいのか漠然と心配になる、こうした気持ちを抱くきっかけになったのは、業務から一定期間離れる中で、自身を客観的に俯瞰的に見ることができたからなのでしょう。
それが2か月という限られた時間を学習に充てる選択につながったのです。
人事という仕事は社員をよく見る仕事です。一人ひとりにあったCDPを考え、事業の進む方向性を踏まえ社員の育成を連動させる仕事です。
だからこそ彼はその一丁目一番地となる、「社員を見る力」を高めるためにキャリアコンサルタント資格の取得に挑戦したのでした。
ここまで読んでいただいて、一部の方は「キャリアコンサルタントってそんな短期間で取得できるんだ」と初めて知った方ことでしょう。誤解なきようお伝えすると、すべての方が2か月の学習で受験できるわけではありません。
キャリアコンサルタント資格の受験には、事前にキャリアコンサルタント資格養成講座の受講が必要で、このコースは様々な企業が提供しているわけですが、その中でも短期養成コースを受講することで短期間で受験資格を満たすことが可能となるのです。
キャリアコンサルタント資格の各提供会社や比較は以下でまとめていますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。キャリアコンサルタント養成講座の受講に関心がある方がいれば、ぜひ感覚や定性的な情報に惑わされず、客観的な数字や公開されている情報を基に、自身に最適なものを選択していただきたいなと思っています。
育休=キャリア開発という新たな選択肢
さて、育休のイメージががらっと変わったのは私だけではないはずです。
仕事から離れる機会を活かし、自身のキャリアについて考えその実現に有用な専門性の取得に励むこと。それによって業務を離れていた期間より、一層パワーアップして業務に貢献してくれる、こうした認識が広がると、育休=欠員というネガティブなイメージの変革に繋がります。
みなさん自身も、みなさんの部下やチームメンバーも、ぜひこうした挑戦を選択し、またその選択した方を応援する、そんな環境を作っていけるといいですね。


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